【12月6日 AFP】世界保健機関(WHO)と米当局は5日、2018年に世界で麻疹(はしか)により14万人超が死亡したと発表した。世界のワクチン接種率が10年近くにわたって伸び悩んでいるのが原因とされる。

 2018年のはしかによる死者数は、前年比15%増の約14万2300人、患者数は約970万人だった。死者の大半は5歳未満の乳幼児だった。

 WHOと国連児童基金(UNICEF、ユニセフ)の推計によると、2018年に世界の子どもの86%が1回目のワクチン接種を受けたが、2回目を受けたのは70%未満にとどまり、推奨される95%を大きく下回った。はしかの予防には2回接種が必要とされる。

 最も被害が大きいのは貧しい国々で、感染者と死者の大半はサハラ以南のアフリカ諸国に集中している。患者数の上位5か国はコンゴ民主共和国とリベリア、マダガスカル、ソマリア、ウクライナで、世界の全患者数の半分を占めた。

 はしかは裕福な国々でも流行しており、欧州でも2018年、アルバニアとチェコ、ギリシャ、英国が「はしか排除国」ではなくなった。

 国連(UN)によると、太平洋の島国サモアは5日、これまでに62人が死亡したはしかの流行を食い止めるため、2日間の日程で政府機関や民間企業などを閉鎖して、前例のない国全体での予防接種作戦に踏み切った。この流行の背景には、インターネット上での反ワクチン運動があるとされる。(c)AFP