【12月6日 AFP】(写真追加)エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領の野心的な年金制度改革に抗議するストライキが5日から続くフランスで、フランス労働総同盟(CGT)は政権への抗議デモ参加者が150万人に達したと発表した。これに対し、内務省はデモ参加者数を80万6000人としている。

 5日のストとデモで仏各地では交通機関がまひし、学校は閉鎖。高速鉄道TGVや空の便にも運休が出るなど、仏国内の広範囲が機能停止に陥った。

  
 首都パリ、南東部リヨン(Lyon)、西部ナント(Nantes)のデモでは、一部のデモ参加者が暴徒化し警官隊が催涙ガスを噴射して対応したが、デモはおおむね平和裏に行われた。

 年金制度改革案の全容はまだ公表されていないが、マクロン政権は現在42種類に分かれている年金制度の一本化を進めている。これに対し、新たな年金制度の下では退職年齢が遅くなり、受給年金額が減ると懸念する交通機関の職員、航空管制官、教職員、消防隊員、弁護士らが抗議ストに突入した。

 フランスの現行制度では62歳から年金が支給される。先進国の支給開始年齢としては低い方だが、鉄道職員や国立オペラ従事者など年金上の優遇措置を受けている職業もあり、例えば鉄道の運転士は一般的に50代前半で退職している。

 東部ベルフォール(Belfort)のデモに参加した保育士の女性は、ストに参加する理由を「65歳になっても、2歳の子どもたちを世話してあげられるとは思えないから」と語った。(c)AFP/Joseph Schmid and Clare BYRNE