【12月6日 AFP】(更新)米国のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長(民主)は5日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領に対する弾劾条項(弾劾訴追状)の起草を進める意向を表明した。これにより、大統領の弾劾をめぐる正式採決が行われることが確実となった。

 ペロシ議長はテレビ演説で、大統領に対する訴因を明記した弾劾条項の起草を下院司法委員長に指示すると発表。大統領が職権を乱用したため「行動せざるを得ない」と述べた。議長は具体的な訴因に言及しなかったが、トランプ大統領は贈収賄、職権乱用、議会妨害、司法妨害の罪に問われる可能性がある。

 同議長はまた、トランプ大統領がウクライナ政府に対し、軍事支援とホワイトハウス(White House)での首脳会談を交換条件として提示し、政敵であるジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領の捜査を確約するよう求めたと指摘。「大統領はわれわれの国家安全保障と引き換えに自らの政治的利益を得るため、職権を乱用した」と述べた。

 弾劾訴追への賛否は大きく分かれているが、民主党が支配する下院では大半の議員が賛成する姿勢を示している。下院が大統領を弾劾訴追すれば、米国史上3例目となる。弾劾条項は年内に下院本会議での採決にかけられる見通し。

 トランプ大統領は、民主党が「何の根拠もなしに」自身の罷免を狙っていると批判したほか、自党・共和党が過半数の議席を握る上院では「公正な裁判」を受けられるとして、弾劾を「今すぐに」進めるよう挑発。「共和党はかつてないほどまでに団結している。われわれは勝つ!」とツイッター(Twitter)に投稿した。(c)AFP/Michael Mathes