【12月5日 AFP】クリーンな自転車競技を目指す団体「信頼ある自転車競技のための運動(MPCC)」は4日、国際自転車競技連合(UCI)に対し、抜き打ち血液検査の回数を増やすよう求めた。同団体はチームの外部にある闇の薬物組織の存在を恐れているという。

 MPCCは、今回の要求は国際的なドーピング一斉摘発で薬物違反を認めたゲオルグ・プライドラー(Georg Preidler)の証言を基にしているという。オーストリア出身の同選手は、かつてグルパマ・FDJ(Groupama-FDJ)やチーム・サンウェブ(Team Sunweb)に所属した。

 血を体外に排出する「瀉血(しゃけつ)」のスキャンダルは、2月に当局がオーストリアで開催されていたノルディックスキー世界選手権(FIS Nordic World Ski Championships 2019)に家宅捜索が入ったことで明るみに出た。

 この件でUCIに懸念を抱いているというMPCCは、「UCIに、特に競技外での血液検査回数の増加の必要性に気付いてほしかった」としている。

「この提案はわれわれが集めた情報を基にしており、その中にはチームの外部にある闇の薬物組織の存在をほのめかすものもあった」「レース開始前とレース直後のできるだけ早い段階でそういったテストを行うことを主眼とした正式文書をすでに送付している」

 MPCCはUCIに全幅の信頼を置いているとしながらも、2月のドーピング一斉摘発でこれまで陽性が検出された選手が一人もいないと強調した。「こういった残念な事件の発覚は、警察のハードワークが唯一の頼みの綱となっている」 (c)AFP