【12月4日 AFP】中国政府は3日、南米エルサルバドルへのインフラ支援プロジェクトの一環として、新設する国立競技場と図書館の費用を負担することに合意した。エルサルバドルは先に台湾と断交し、中国との国交を樹立している。

 エルサルバドルのナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領は3日、今夏に大統領に就任してから初めて中国を訪問し、習近平(Xi Jinping)国家主席と会談した。

 ブケレ大統領は同日、ツイッター(Twitter)で「習近平国家主席はエルサルバドルに、巨大かつ返済不要な協力を申し出てくれた。運営はわが国の政府が完全に担う」と発表。この事業計画には、大勢を収容できる「近代的な」競技場の建設も含まれていると明らかにした。

 中国とエルサルバドルが発表した共同声明によると、中国政府は水事業や観光地の再開発事業などの費用を負担する他、経済協力やエルサルバドルへの中国人の観光促進で合意したという。

 中国は近年、外国への投資やインフラ支出を強化しており、中国政府が支援する融資の恩恵を受けた国々の債務が膨らむリスクがあるとの懸念が高まっている。

 ただブケレ大統領は4日のツイートで、「一部の反対者ら」が中国と締結した協定を「債務のわな」だと呼んで攻撃しようとしていると批判。「『返済不要』のどの部分が理解できなかったんだ? これは貸し付けではない、寄付だ」と述べた。

 ドミニカ共和国とブルキナファソに続き、エルサルバドルは昨年台湾と断交し、8月に中国と国交を樹立した。(c)AFP