【12月4日 AFP】北朝鮮の国営メディアは3日、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長が2日に中朝国境にまたがる白頭山(Mount Paektu)の麓に位置する三池淵(Samjiyon)郡を訪れ、同地で進められていた開発事業の完工式に出席したと報じた。

 事業は革命にまつわる博物館やウインタースポーツの訓練施設、ブルーベリーやジャガイモの加工工場、総戸数1万戸に上る共同住宅開発など多岐にわたり、北朝鮮は莫大(ばくだい)な資金・人的資源をつぎ込んできた。

 金委員長も開発に深く関わり、現地を複数回訪れているほか、今年10月には白馬に乗って白頭山を登頂したと報じられた。

 朝鮮中央通信(KCNA)は3日、黒いレザーのトレンチコートを着た金委員長が、父で前最高指導者の故金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-il)総書記の像を背景にテープカットを行ったと報じた。

 北朝鮮では白頭山は建国者・金日成(キム・イルソン、Kim Il-sung)主席が抗日活動を指揮した場所とされ、息子の正日氏は父の活動拠点であった密営で誕生したといわれている。

 ただ歴史家や旧ソ連の記録によると、正日氏は実際には父の亡命先だったロシアで生まれたという。

 AFPは取材で、数千人規模の作業員が建設現場におり、その多くが兵士であることを確認。北朝鮮軍兵士の大半が現在も建設に従事している。

 KCNAは以前、休暇中の大学生も工事現場に働きに送られていると報じているが、外交筋によると子どもも現場に派遣されているという。

 映像は国営朝鮮中央テレビ(KCTV)の放送。(c)AFP