【12月4日 AFP】男子ゴルフのタイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)が3日、巨額のオファーを受けていた欧州ツアーのサウジ国際(Saudi International powered by SBIA 2020)出場を断ったことを明かしつつ、出るのは個人の自由だとして他選手の出場に理解を示した。

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 第1回となった今年のサウジ国際では、米国在住のサウジアラビア人ジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏が殺害される事件が2018年10月に起こったため、出場選手に批判が集まっていた。

 その中でウッズについては、大会側が約300万ドル(約3億2600万円)を支払って出場を打診していたが、1回目はカショギ氏の事件の前に断りを入れ、今回も2年連続で辞退したことが米スポーツ専門チャンネルESPNの報道で明らかになった。

 ウッズはヒーロー・ワールドチャレンジ(2019 Hero World Challenge)の開幕を前にした会見で、「単純にあそこまで行きたくなかった」「遠いからね」と話している。

 ウッズの発言に先立ち、フィル・ミケルソン(Phil Mickelson、米国)が1991年から出続けてきたフェニックス・オープン(Waste Management Phoenix Open 2020)を見送ってサウジ国際に出場することを発表し、ソーシャルメディアで批判されていた。

 あるツイッター(Twitter)ユーザーは「腐敗した政権から金を受け取るより、もっとできることがあるだろ。頼むよフィル」と投稿。これに対してミケルソンは「あちらへ行ってプレーし、まだ見たことのない世界を目にするのが楽しみだ」「怒っている人や、がっかりしている人がいるのは分かるし、それは構わない。私は初めての体験を楽しみにしている」と直接返信していた。

 こうしたミケルソンの判断と、そこに批判が集まっていることについて聞かれたウッズは、大会がサウジアラビアのゴルフの発展につながるはずだと話した。

「裏に政治の話があるのは理解している」「しかし同時に、ゴルフというスポーツにはそうした状況を緩和する力もあるはずだ。出場するトップ選手は大勢いる」 (c)AFP