【12月4日 AFP】ウクライナ国営石油企業ウクルナフタ(Ukrnafta)傘下の石油パイプライン管理会社、ウクルトランスナフタ(UkrTransNafta)は3日、ロシアの石油をウクライナ経由で欧州に送る契約を更新したと発表した。

 ウクルトランスナフタはフェイスブック(Facebook)上で、ロシアのパイプライン大手トランスネフチ(Transneft)と来年1月1日から10年間の契約を結んだと明らかにした。トランスネフチもAFPに対し、契約の締結を確認した。

 ロシアとウクライナの対立関係が長期化する中、送油契約は今年末で失効することになっていたが、元コメディアンのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)氏がウクライナ大統領に就任した5月以降、両国関係は改善している。

 ロシアと欧州の間では、ロシアとドイツを結ぶ「ノルド・ストリーム2(Nord Stream 2)」、ロシアとトルコを結ぶ「トルコストリーム(TurkStream)」という2本の大型パイプラインが今後数か月のうちに開通する予定。

 どちらもウクライナを迂回(うかい)する送油ルートで、同国政府は財政面で打撃を受けるだけでなく、ロシアに対する影響力を低下させることになる。

 ウクライナ経由のルートでは今年、パイプラインに重大な汚染が発生したことで送油が一時停止されていた。(c)AFP