【12月3日 AFP】ギリシャの富豪で米飲料大手コカ・コーラ(Coca-Cola)のボトル詰め工場の相続人であるアルキ・デビッド(Alki David)被告(51)に、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を受けたアシスタント女性に対する損害賠償金5800万ドル(約63億円)の支払いを米裁判所が命じた。女性の代理人が2日、明らかにした。セクハラに対する損害賠償額としては米史上最高額の一つに数えられるという。

 デビッド被告はアシスタントのマヒム・カーン(Mahim Khan)さんに対し、日常的に痴漢行為をしていた罪に問われていた。 

 カーンさんの代理人が提出した証拠によると、デビッド被告は週に2、3回の頻度でカーンさんの首をつかみオーラルセックスのまね事をさせていたという。さらに代理人は陪審員に対し、デビッド被告がたびたびカーンさんの局部をまさぐっていたことや、あるときはカーンさんの胸を露出させたこともあったと明らかにした。

 カーンさんの代理人を務めるグロリア・アルレッド(Gloria Allred)氏は、今回命じられた損害賠償額は、セクハラに対する懲罰的損害賠償としては米司法史上最高レベルだと述べた。

 カーンさんへのセクハラ行為を否定しているデビッド被告は、2日の裁判を欠席。同日、米メディアを通じて、司法制度は「崩壊」しており「非常事態にある」とコメントし、カーンさんと証人らがうそを述べていると非難した。

 デビッド被告は近年、本件以外にも多数のセクハラ裁判で訴えられている。

 今年に入ってデビッド被告は、セクハラ被害を訴えた女性2人に対し計1400万ドル(約15億円)超の賠償金を支払ったが、別の裁判は評決不能に終わった。デビッド被告の推定資産は26億ドル(約2800億円)に上る。(c)AFP