【12月3日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で通算6度目の年間優勝を達成したルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)は、次の契約がF1ドライバーとして最後になる可能性がある中で、所属チームのメルセデスAMG(Mercedes AMG)に対する忠誠心と、フェラーリ(Ferrari)で新たな挑戦をするという好奇心との間で板挟みになり、非常に難しい決断を迫られるだろうと考えている。

 1日に行われた今季最終戦アブダビGP(Abu Dhabi Grand Prix 2019)で、圧倒的な強さを発揮して優勝した34歳のハミルトンは、その栄光に浸る間もなく、将来の動向やシルバーアロー(メルセデスの愛称)からフェラーリへ移籍する可能性について言及することを強いられた。

 しかしながら、ヤス・マリーナ・サーキット(Yas Marina Circuit)で5度目の優勝を飾り、今季11勝目にしてキャリア84勝目を記録したハミルトンは、レース後の記者会見で慎重な姿勢を示し、フェラーリのジョン・エルカン(John Elkann)会長とすでに話したことに関して問われると、「当然ながら、密室で起きているすべての物事は、その相手が誰であろうと常にプライベートなことだ」と答えた。

「もうずっと何年も、自分は他の選択肢を考えたことは一度もない。なぜなら、チームはこれまでたどってきた道を真っすぐ突き進んできたからだ。今もその道のりを進んでいて、それを変える要素はほとんどない」

「現状にとても満足しているから、急いで他の道を決断するつもりは全くないけれど、それがキャリア最後のステージになるならば、自分が何を望んでいるかじっくり考えていくことがスマートで賢明だ」「ずっと勝ち続けていきたい。この先どうなっていくのか言うことはできない」

 ハミルトンは来年いっぱいでメルセデスとの契約が満了し、2021年シーズンに向けて自由に移籍することができる。F1では2021年シーズンから規則が大幅に変更されることになっており、フェラーリのセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)は、チームを去ってハミルトンと電撃的に入れ替わるか、引退する可能性がある。

 来季はミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏と並ぶ史上最多7度目のタイトル獲得を成し遂げる可能性があるハミルトンは、現在は2021年以降の選択肢を比較検討しているにすぎないと強調。また、決断を急ぐつもりはないと明言したことについては、メルセデスのチーム代表であるトト・ヴォルフ(Toto Wolff)氏から評価された。

 F1が新時代に移行しようとしている中で、同じく自身の未来について考えているヴォルフ氏は、75パーセントの確率でハミルトンがチームに残留して契約を更新し、メルセデスでF1ドライバーとして最後のキャリアを過ごすだろうとの認識を示した。しかし、同選手が移籍する可能性も25パーセントあると話している。(c)AFP