【12月2日 AFP】ラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)でオールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)を率いたスティーブ・ハンセン(Steve Hansen)氏が、トップリーグのトヨタ自動車ヴェルブリッツ(Toyota Verblitz)でディレクター・オブ・ラグビーに就任することが2日に決まった。

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 ハンセン氏のトヨタ行きについては、W杯準決勝でイングランドが19-7でニュージーランドを破った際、イングランドのエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)が「彼がこの国にまた、トヨタのコーチとして戻ってくるのを知っているから、トヨタの車はいっそう速くなるだろうし、ワールドラグビー(World Rugby)にも関わるはずだ」と話していたが、本人がこの日動画メッセージで、広まっていたうわさが事実であることを認めた。

 監督というよりは相談役に近い役割とのことで、「トヨタ自動車ヴェルブリッツで指導や相談、助言に携わる仕事を得た」「ヘッドコーチではなく、アドバイザーやメンターに近い。1年のうち5~17週はあちらで過ごすことになる」と話している。

 トヨタはすでに、W杯限りでオールブラックスを引退した代表127キャップの前主将、キーラン・リード(Kieran Read)の加入が決まっており、これでもう一人、ニュージーランドの大物がチームに加わることになる。

 ハンセン氏は2011年のW杯ニュージーランド大会ではアシスタントコーチとして、2015年のイングランド大会ではHCとしてオールブラックスのW杯制覇を経験している名将で、ウェールズを40-17で下し、3位で有終の美を飾った日本大会限りで代表指揮官を退任した。

 トヨタでは、スーパーラグビー(Super Rugby)のNSWワラタス(NSW Waratahs)でアシスタントを務めたサイモン・クロン(Simon Cron)HCとタッグを組む。ハンセン氏は「彼の成長を助ける機会を得ることができて、本当に楽しみだ」と話している。

「トヨタを優勝できるチームにすることもそうだが、同時に家族のような、ある種オールブラックスに近い、みんなが誇りに思えるクラブ環境の構築も目指したい」「フルタイムのコーチ業ではないが、これでラグビーに関わり続けることができる」 (c)AFP