【12月1日 時事通信社】ウクライナ東部で続く政府軍と親ロシア派の紛争をめぐり、ウクライナとロシアにフランスとドイツを交えた4カ国首脳会談が9日にパリで開かれる。4カ国首脳会談の開催は2016年10月以来約3年ぶりだが、ロシアは「過度な期待はしないでおこう」(大統領報道官)とけん制する姿勢を示しており、長期的な和平に向けた成果が得られるかは不透明だ。

 5月に就任したウクライナのゼレンスキー大統領とロシアのプーチン大統領の初顔合わせで、親ロ派地域への自治権付与の実施に向けた協議が焦点となる。ロシアは「特別な地位」と呼ばれる親ロ派への自治権付与を強く主張。ロシアとの直接対話を急ぐゼレンスキー政権は10月、選挙などの自治権付与に向けた手続きに関し、ロシアや欧州安保協力機構(OSCE)と基本合意した。しかし、ウクライナ国内では「ロシアへの降伏だ」(ポロシェンコ前大統領)と批判も根強く、反対デモも開かれた。

 ゼレンスキー氏は11月下旬に東部を訪れ、パリの首脳会談では「2、3日後に攻撃が始まるような偽りの停戦ではなく、真の停戦」が議論されると説明。親ロ派から対ロ国境管理権を取り戻すことも話し合われると述べ、理解を求めた。

 一方、ロシアは和平を急ぐ必要はなく、あくまで親ロ派の権利拡大を追求する構えだ。ペスコフ大統領報道官は11月29日、「特別な地位に関しては15年の4カ国首脳による停戦合意に含まれている」と述べ、履行されなければ紛争解決はおぼつかないと警告した。

 コメディー俳優出身のゼレンスキー氏は今年春の大統領選で圧勝し、東部紛争の解決を最優先課題に掲げてきた。ただ、当初70%を超えていた支持率が最新の世論調査で50%台に下がるなど人気に陰りも見える。パリ会談が不調に終われば、支持がさらに落ち込む可能性もある。(c)時事通信社