【12月1日 AFP】イエス・キリスト(Jesus Christ)が誕生した時に寝かされていた飼い葉おけの一部とされる木片が11月30日、イタリアから1300年超の時を経て生誕地のパレスチナ自治区ベツレヘム(Bethlehem)に里帰りした。

 幅1センチ、長さ2.5センチほどの木片は7世紀、聖地を管理するフランシスコ修道会(Franciscan)にローマ教皇庁から寄贈され、イタリア・ローマで保管されていた。

 パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長が2018年12月にバチカン市国を訪れた際、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)に木片の返還を要請していた。

 ベツレヘムの広場で信者らが見守る中、フランシスコ修道会のフランチェスコ・パットン(Francesco Patton)神父は聖遺物である木片を収めた豪華な容器を手にし、聖誕教会(Church of the Nativity)に隣接する聖カテリナ教会(Saint Catherine Church)へ運び、そこでミサを執り行った。

 パットン神父は29日、ミサに先立ってAFPの取材に応じ、640年ごろに当時のエルサレム総主教ソフロニウス(Sophronius)が贈り物としてローマ教皇テオドルス1世(Theodore I)へ木片を送ったと説明。だが今後は「永遠に」ベツレヘムにとどめ置かれるという。

 パットン神父は木片について「今から2000年以上も前にベツレヘムで聖母マリアの元に神のみ子が生まれたということを、私たちに思い起こさせてくれるゆえに、われわれはこの聖遺物を崇敬します」と語った。

 ベツレヘムでは、里帰りのお祝いがクリスマスまで行われる予定だ。(c)AFP