【12月1日 AFP】地中海の島国マルタのジョゼフ・ムスカット(Joseph Muscat)首相(45)が、来年1月に辞任する意向であると、与党・労働党関係者が29日、AFPに明らかにした。ムスカット氏は、2017年に著名ジャーナリストのダフネ・カルアナガリチア(Daphne Caruana Galizia)氏が自動車爆弾で殺害された事件への対応をめぐり、批判が高まっていた。

 事件をめぐっては先週、閣僚2人と首相の側近であるキース・シェンブリ(Keith Schembri)首席補佐官が辞任を表明したほか、29日に実業家のヨルゲン・フェネック(Yorgen Fenech)被告(38)が事件の共犯者として起訴されている。

 党内部の人物らによるとムスカット氏は、事件の首謀者らが起訴され、労働党の新たな党首が選出されたら辞任する意向だという。

 AFPの取材に応じた党関係筋によれば、「彼は近いうちに辞任すると常に話していたが、今が辞任するタイミングだと感じている」と話した。

 また別の党関係筋は、首相は当初、約束した通りに自身の政権下で事件が解決されるのを望んでいたものの、「公判で首謀者の罪状認否が行われた後、辞任する意向を表明する計画で、来年1月18日に党首選が行われることになる」と明かした。

 カルアナガリチア氏の遺族は、ムスカット氏の事件への対応を批判し、市民の間でも抗議デモが発生。ムスカット氏への圧力が高まっていた。(c)AFP/Mathhew Xuereb with Francaoise Kadri in Rome