【11月30日 AFP】スペイン沖で1億ユーロ(約120億円)相当のコカイン3トンを運んでいた潜水艇が拿捕(だほ)された事件をめぐり、3人目の拘束者となる乗員が29日、逮捕された。警察当局が明らかにした。

 同国の警察当局は23日、同国北西部ガリシア(Galicia)州沖で全長20メートルの潜水艇の航行を阻止。欧州でこうした潜水艇が捕らえられるのは初めてとみられる。

 事件をめぐっては、潜水艇から逃亡しようとしたエクアドル人2人が拘束されたものの、3人目の乗員は警察の手を逃れていた。

 警察当局者は29日、「スペイン人の乗員が今日、逮捕された」と発表。捜査当局に近い関係筋によると、4人目の拘束者となる「陸上で支援に当たっていた」人物も北西部の都市ビーゴ(Vigo)で逮捕された。

 今回の摘発作戦には総勢240人の要員が参加し、英国、ブラジル、ポルトガルおよび米国の警察とも協力して実施された。

 コロンビアの密売人をはじめ、メキシコや米国に潜水艇でコカインを輸送した容疑者らが逮捕された事例はあるが、警察によれば「この方式による麻薬輸送が欧州で摘発されたのは初めて」だという。

 麻薬カルテルはこれまでに麻薬密輸用の潜水艇を、約1000艇建造したと推定されている。(c)AFP