【11月30日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、同国のシリア侵攻を批判したフランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領について、「脳死」に陥っていると非難した。「脳死」という表現は、マクロン大統領が最近、北大西洋条約機構(NATO)を評して用いた言葉。

 英国では来週、NATOの創設70年を記念する首脳会議が開かれる。マクロン大統領と共に同会議に出席する予定のエルドアン大統領は、テレビ演説で痛烈なマクロン氏批判を展開。「私はフランスのエマニュエル・マクロン大統領に向けて話しており、これはNATOでも言うつもりだ。まずは自分の脳死を調べてもらうように。こういった発言は、あなたのように脳死状態に陥っている人々のみにふさわしい」と述べた。

 マクロン氏は最近、NATOが加盟国間の戦略的協力の欠如のせいで「脳死」に陥っていると発言し、大きな話題を呼んでいた。

 フランス政府は、駐仏トルコ大使を呼び出してエルドアン氏による「中傷」について協議すると表明した。仏政府による同大使の呼び出しはここ2か月で2度目。

 エルドアン大統領は、トルコが先月行ったシリアのクルド人勢力に対する越境攻撃を批判したマクロン大統領の発言について、特に気分を害したようだ。

 欧米諸国は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」との戦いを率いるクルド人勢力を支援してきた。マクロン氏は28日、トルコ政府が同盟諸国に示す「既成事実」は有志連合によるIS掃討作戦を危険にさらしていると指摘していた。

 エルドアン氏はマクロン氏に向けて「シリアで何の用がある? 好きなだけ飛び跳ねていればいい……あなたは遅かれ早かれ、テロと戦うトルコの権利を尊重することになる。それ以外の道はない」と述べた。(c)AFP/Clare BYRNE with Eric RANDOLPH in Istanbul