【12月6日 CNS】近ごろ、中国・深セン市(Shenzhen)は、犬の飼養に関するルールについて市民の意見を聴いた。その中で、14日を超えて引き取り手が見つからない野良犬については「安楽死を実行する」ことを提案している。

【関連記事】「史上最も過酷な飼い犬条例」午前7時〜午後10時は散歩禁止 雲南

 これに対し、あるネットユーザーは「残酷ではあるが、他に良い方法はなければ仕方がない」と理解を示しつつ、「でも安楽死は心が痛む」と複雑だ。「残酷すぎる」から反対だとする人もいる。

 世界動物保護協会(WSPA)中国代表処の姚越(Yao Yue)マネジャーによると、「野良犬が多すぎると、多くの衝突が生まれる。病気の伝染や環境衛生の破壊、人を襲い傷つけることもある」。

「安楽死は、野良犬がさらに大きな苦痛を回避するためのやむを得ない選択」という人もいるが、動物愛護者は「野良犬問題の解決で、管理すべきは人の行為であって犬の行為ではない。最も重要なことは野良犬の発生をいかに予防し、減らすかだ」という。

 現在、中国の一部の都市では、犬を遺棄したり虐待したりする行為を罰する管理処罰条例がつくられているが、処罰や管理への力の入れ方は、それぞれ異なる。例えば、上海、武漢(Wuhan)、広州(Guangzhou)などでは、犬を捨てた場合の具体的な処罰が定められている。姚マネジャーによると、犬の遺棄行為に対する現行の罰則は、犬を収容するか、あるいは飼い主の飼養登録抹消だ。

「実際は、捨て犬に関する責任追及は非常に難しい。もし捨て犬と疑われる犬を発見したとしても、犬の体には標識あるいは認証用チップはついていないので、飼い主が誰か確定しようがない。飼い主に対する処罰もできず、犬は野良犬として扱われる」と姚マネジャーは説明する。

「野良犬問題の解決に、最も重要なことは、まず犬を飼う人の管理をしっかりと行い、最大限、野良犬の発生を抑えることだ」「特に犬を遺棄する行為に対して、法的な罰則を強化しなければならない」と首都愛護動物協会(Capital Animal Welfare Association)の創始者である秦肖娜(Qin Xiaona)さんは語った。(c)CNS-工人日報/JCM/AFPBB News