2019.12.04

CARS

変貌を遂げた東京モーターショー 「見る」から「楽しむ」へ

10月25日から11月4日まで、東京ビッグサイトを中心に 開催された「第46回東京モーターショー2019」。来場者数や出展するインポーターが減少するなかで、これまでにない企画や演出が多くの人の喝采を浴びた。
「楽しめる」ことに注力した今回のショー。お台場「夢の大橋」では500機のドローンが夜空を舞い、レーザーや音楽との共演、大喝采を浴びた。

リーマン・ショック以後、東京に限らず、フランクフルトやパリ、デトロイトなど自動車先進国のモーターショーは衰退を続けていた。今年のフランクフルトでは二酸化炭素の排出源である自動車に対する嫌悪感の高まりにより、デモまで起きたほど。加えて今やネットで最新情報を得られるため、モーターショーに行く意味も薄くなってきたのだと思う。


考えてみたらモーターショーは単にクルマを並べただけであり、サービス精神のカケラもない。そんな流れを変えようとチャレンジしたのが、今回の東京である。


聞けばモーターショーを主催する自工会会長(日本自動車工業界。現会長は豊田章男氏)の「もっと努力しましょう!」 という強い意思だという。前回77万人だった入場者数に対し今回100万人という数値目標を掲げた。日本人は「目標を可視化したら強い!」と言われているけれど、その通りか?


フェラーリF40、F50など数多くのスーパーカーも出展された。

例えばスーパーカー。リーマン・ショック以後、輸入車の出展が一気に減り、今回メルセデスとルノー、アルピナだけになってしまった。当然ながらフェラーリはなし!スーパーカーと言えば自動車文化の華である。なのに前回まで自工会は何の対応もしていない。当然ながら「スーパーカーが見られないモーターショーなんて意味無し!」という意見が多かったそうな。


そこで今回はスーパーカーの展示ブースを作り、その上でスーパーカーの日を設定し特設展示場所まで確保。どんなものか興味があったので取材に行くと、驚くべきことにブガッティ・シロンが!世界500台で3億円のクルマです。


子ども向け職業体験型施設「キッザニア」とコラボレーションし、カー・デザイナーやメカニックなどクルマに関わる仕事を体験するコーナーも設けられた。

さらに東京オートサロンと提携し派手なドレスアップ・カーを展示したり、バイクや電動キック・ボードなどの試乗コーナーを用意したり、キッザニアの自動車業界版を導入したりと、イベント&お祭り型のモーターショーにモデルチェンジした。自動車のTVコマーシャルでも必ず東京モーターショーをアピール。


結果、入場者数は130万人!自工会に聞くと「次回もっと頑張ります!」。どうやら東京モーターショーのモデルチェンジは大成功だったようだ。世界のモーターショーも東京のようになっていく?


入場者は昨年を大きく上回った。

文=国沢光宏

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