依存症治療の悲惨な現状 「恐怖の館」で浮き彫りに ナイジェリア
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■人口約2億人、精神科医はわずか300人
虐待が行われていることが明らかになったリハビリセンターの大半は、ナイジェリア北部のイスラム教徒が多いカノ(Kano)にあった。だが親族の多くが、解放された人たちの引き取りを拒否している。親族が彼らを連れて行く場所がないことも問題の一つとなっている。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)が11月に発表した報告書によると、ナイジェリアの人口は約2億人だが、精神科医はわずか300人ほどしかない。多くの精神科医は、治療環境が整っていないことと医師の地位が低いことに失望し、国外、主に欧米に移住してしまうという。
だが、オゴナヤ・ウンドゥプ(Ogonnaya Ndupu)医師はここに留まる決心をした。
ウンドゥプ氏は国立の精神科病院に6年勤務した後、現在はラゴスの中産階級が住む地区レッキ(Lekki)にある小規模民間施設「ライフクレスト・リハビリテーション(Lifecrest Rehabilitation)」で依存症患者の治療に従事している。
ウンドゥプ氏はAFPに「精神保健に関して言えば、(政府は)何の監視も行っていない」と語った。「政府の施設もあるが、嘆かわしい状態だ」。また、同氏は、国民全体の経済状況が厳しいことから「国内の薬物乱用が増加している」と指摘した。(c)AFP/Sophie Bouillon