■侵入生物種の99%は人間の持ち込み

 一部の生物種は約1000キロ離れた南米大陸の先端部から飛来するか、その他の自然の手段によって南極に到達することも実際にあるが、これらの外来種が恒久的に定着するのは難しい。

「結局のところ(侵入生物種の)99%を人間が持ち込んでいる。この割合はあらゆる自然の作用をはるかにしのいでいる」と話すコンベイ氏は、過去200年間に侵入した生物種の名前を100種ほど挙げることができる。

 温暖化が現在のペースで進行すると、南極大陸西部の南極半島(Antarctic Peninsula)の氷のない陸地の面積は、今後100年間で4倍になる見通しだ。これは、侵入生物種が定着するための陸地が大きく増えることを意味すると、コンベイ氏は指摘した。

 陸地の増加に加えて、氷の融解によって利用可能な水も増えることで、生物が爆発的に増える可能性が高くなるとともに、資源をめぐる生物種間の競争も激化するだろう。

 現在の議論は氷の融解に集中している一方、その他の人的活動、「特に歴史的な海洋開発、土地利用の変化、生物学的侵入などの活動は、実際に、気候変動それ自体よりもはるかに大きな即時的影響を南極生態系に(継続的に)及ぼす可能性が高い」と、論文の主執筆者らは警告している。(c)AFP