【11月29日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は、トルコが先月開始したシリアでのクルド人勢力に対する越境軍事作戦をまたもや非難した。これを受けてトルコは28日、マクロン氏がテロ組織を支援していると非難した。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は越境軍事作戦について、シリアのクルド人武装勢力「クルド人民防衛部隊(YPG)」とイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」という「テロ組織」を標的にしたものと説明している。しかし、対IS戦で最前線に立ってきたYPGがトルコの軍事作戦の標的となったことで、シリアに分散するISに対する攻撃が弱まったとの非難の声が上がっている。

 トルコの軍事作戦を繰り返し非難してきたマクロン氏は28日、トルコ政府が同盟諸国に示す「既成事実」は、有志連合によるIS掃討作戦を危険にさらしていると指摘した。

 マクロン氏の発言を受けて、トルコ政府はフランス政府がシリアでクルド人国家の樹立を図っていると猛反論した。

 トルコ半国営アナトリア(Anadolu)通信によると、メブリュト・チャブシオール(Mevlut Cavusoglu)外相は、「いずれにせよ、彼(マクロン氏)はテロ組織(YPG)を支援し、そのメンバーを定期的にエリゼ宮(Elysee Palace、大統領府)に迎え入れている」「マクロン氏には、トルコも北大西洋条約機構(NATO)の一員であることを忘れないでもらいたい」とコメントした。(c)AFP