【11月28日 AFP】インドネシアは深刻な交通渋滞を抱えることで知られ、通勤者は皆うんざりしている。そこである男性が、この毎日の不快を解消するため上空を飛ぼうと決意。その手段として、自分でヘリコプターを造ることにしたという。

 首都ジャカルタから約110キロ南にあるスカブミ(Sukabumi)に住むジュジュン・ジュナエディ(Jujun Junaedi)さん(42)は、市内の渋滞についてこう話す。

「信じられないほどいらいらする。ガソリンは切れるし、時間の無駄だ。目的地に到着する頃にはかんかんに怒っている」

 ジュナエディさんは、渋滞した道路の上を飛ぶことを夢見て、余暇に自宅の裏庭で造り方を紹介する動画を参考にしながら、自身のヘリコプター製造計画に取り組んでいる。

 1年半前にヘリコプター造りを開始したジュナエディさんは、部品を購入したり、自身の自動車修理工場の廃品を使ったりしてきた。これまでに費やした総額は約3000万ルピア(約23万円)に上るという。

 ジュナエディさんのガソリン式ヘリコプターは全長8メートル。息子や近隣住民の手も借りているが、まだ初飛行には至っていない。「ヘリコプターが離陸さえしてくれれば、満足するんだけど」

 このヘリ製造計画が実現するかどうかは、現時点ではまだ分からない。課題はヘリコプターの耐空性よりも、膨らむ費用の方だ。

 妻は「エンジンや翼にお金が必要になれば、大変な額になる。全部このヘリに費やされたら、私たちには食べ物を買うお金もなくなる」と不満をこぼした。(c)AFP