【11月28日 CNS】27日午前、悲しい知らせがネットに流れた。同日早朝、台湾系カナダ人俳優のゴッドフリー・ガオ(Godfrey Gao、高以翔)さんが浙江テレビ(Zhejiang Television)のバラエティー番組「私を追いかけて(CHASE ME)」の撮影中、突然倒れ、2時間を超える緊急治療の結果、心原性ショックにより他界した。多くのネットユーザーは「テレビのバラエティー番組の極限はどこか」「タレントが死を賭してやる必要はあるのか」などと疑問を投げかけている。

「私を追いかけて」は浙江テレビが今年の重点として推している番組で、9月から宣伝を始め、現時点で3回目の放送が終わったところだ。番組の宣伝文句は「夜の街の生の追跡ショー」だ。

 視聴者によると、番組の撮影は通常、午後8時から翌朝午前5時にかけて行われ、スターも一般観衆も徹夜で撮影に参加する。スターチームと素人チームが真夜中に追跡戦を展開、スターチームが全てのミッションをクリアする前に素人チームに捕まるとゲームは終了する仕組みだ。素人チームの大部分は優れた体力の持ち主だ。

 ニュースを聞いた多くのネットユーザーは、番組の難度と強度設定が疑問だとし、危険すぎるのではないかと指摘した。また、高さんが倒れた後の番組側の救急措置に不適切な点があったとしている。

 これまで同番組制作中に、多くのスターが体の不調を訴えていた。歌手の范丞丞(Fan Chengcheng)や李振寧(Li Zhenning)らは、疲労による嘔吐(おうと)や呼吸困難で酸素吸入に至ったこともあったという。五輪のボクシング金メダリスト鄒市明(Shiming Zou、ゾウ・シミン)さんは、足の感覚を失ったこともある。

 さらに、高さんの突然の他界により、バラエティー番組の制作における健康面の問題や危険性が表面化した。

 番組制作に参加した経験がある人によると、観衆役は早々と会場に入り、何時間もたってからでないと退出できない。途中でスマホは使えないため、行方不明状態になる。飲み物も食べ物もなく、トイレに行くのも制限を受ける。観衆役が会場を離れると、出演者らは取材に応じるなど、数時間は残りの仕事を片付けなければならない。

 27日午後、俳優の黄渤(Huang Bo)が「信じられない、いいやつだったのに」、台湾出身の女優、林志玲(リン・チーリン、Lin Chi ling)が「親愛なる以翔君、安らかにお眠りください」とコメントしたほか、鹿晗(Lu Han)ら多くの芸能人が次々と高さんの死を悼む文章を発表した。(c)CNS/JCM/AFPBB News