【11月28日 AFP】韓国大法院(最高裁)は28日、国の情報機関から裏金を受け取ったとして起訴された朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)前大統領(67)の上告審で、国庫損失罪を有罪とした一方で収賄罪は無罪とした二審判決を破棄し、ソウル高裁に審理を差し戻した。収賄罪も有罪と認めるべきだと判断した。

 国家情報院(NIS)から裏金を受け取っていたとして国庫損失罪と収賄罪に問われた朴被告に対し、二審は収賄罪については無罪と判断。一審判決の懲役6年から1年減刑となる懲役5年の判決を言い渡していた。

 しかし、最高裁は二審で収賄罪を無罪としたのは「法の原理を誤解している」と指摘。朴被告は収賄罪でも「有罪と認定されるべき」だとの判断を示した。

 女性で初めて韓国の大統領に就任した朴被告は、汚職事件をめぐって大規模な抗議デモが続いた後、2017年に弾劾され失脚した。裏金事件とは別に、収賄や職権乱用などの罪に問われた裁判で懲役25年の実刑判決を受けたが、こちらも最高裁が二審判決を破棄しソウル高裁に差し戻している。

 いずれも差し戻し審ではより重罪の判決が下るとみられる。(c)AFP