【11月27日 CNS】英ロンドンで26日、「王立航空協会(Royal Aeronautical Society)2019年度表彰式」が行われ、中国の月面探査機「嫦娥4号(Chang'e-4)」のチームが世界で唯一の団体金賞を獲得した。これは王立航空協会が設立されてから153年間で初めての中国プロジェクトに対する表彰となった。中国国家航天局が発表した。

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 中国月面探査プロジェクトの「嫦娥計画(Chang’e Program)」の呉偉仁(Wu Weiren)総設計師がミッションチームの代表を率いて表彰式に参加。呉総設計師は王立航空協会と表彰委員会に対し謝意を表明し、多くの国と組織が中国と宇宙国際交流と協力を進め、共同で宇宙探索と科学的発見に注力することを歓迎すると述べた。

 2019年1月3日、嫦娥4号月面探査機は月の裏側のエイトケン(Aitken)盆地フォン・カルマン(Von Kármán)クレーターへの着陸に成功。2018年に打ち上げられ、地球―月のラグランジュ点L2に配置されていた中継衛星「鵲橋(Queqiao)」のサポートの下、嫦娥4号月面着陸器と月面探査車「玉兎2号(Yutu-2)」はそれぞれ探査作業を行い、一連の重要な科学的成果を取得。「ネイチャー(Nature)」などの国内外の学術誌に20編を超える論文を発表した。

 現在、嫦娥4号着陸機と「玉兎2号」月面探査車は、12回目の月面の昼の作業期に入っている。現時点で、嫦娥4号の月の裏側での作業時間は延べ300日を超え、設計寿命をはるかに超えている。「玉兎2号」探査車は、月の裏側の複雑な地形による障害を克服し、走行距離は300メートルを超える。

「嫦娥4号」のミッションは中国国家航天局により組織・実行された。香港・マカオ(Macau)を含む中国の1000社近い組織と数万人の科学者やエンジニアが、ドイツ、スウェーデン、オランダなど複数国の関係者らとの共同作業により、6年の歳月をかけて開発と製造、打ち上げを行ってきた。月の裏側との中継通信により、月の裏側への初着陸を史上初めて成功させた嫦娥4号は、人類の月探査史に新たなマイルストーンを築いたといえる。

 王立航空協会は1866年に設立された世界で最も歴史の古い宇宙航空の専門組織。同協会は毎年、全世界の宇宙航空領域で傑出した成果が認められた団体と個人に対し、表彰を行っている。(c)CNS/JCM/AFPBB News