【11月27日 AFP】国連(UN)が定める「女性に対する暴力撤廃の国際デー(International Day for the Elimination of Violence Against Women)」の25日、メキシコ首都メキシコ市の目抜き通りで、大勢の女性がデモ行進を行った。同国では毎日平均9人以上の女性が殺害されている。

 デモ参加者の一部が窓ガラスを割り、スプレーで記念碑にペイントするなどして、機動隊と衝突した。

 同国では女性や少女を標的とした殺人「フェミサイド」やレイプの発生件数が急増しており、女性への暴力を阻止できずにいる当局に対し、大規模かつ攻撃的な抗議活動が繰り返し行われている。

 この日、大きなハンマーを手にした覆面のデモ参加者らは、バス停のガラスを割り、広告看板を破壊した他、バリケードを崩し、火を付けるなどの行為に及んだ。メキシコ市で有名なレフォルマ通り(Paseo de la Reforma)に立つ複数の記念碑には、「あと何人死なねばならないのか?」などのメッセージが書かれた。

 デモ主催者らが、男性が攻撃対象になると警告していたこともあり、この日配備された数百の機動隊員の大半は女性だった。機動隊員らはデモ参加者らに唐辛子スプレーで応戦した。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)によると、メキシコはフェミサイドの件数が中南米で最多で、国立統計機関によると、メキシコ女性の3人に2人が何らかの形で暴力の被害者になったことがあるという。(c)AFP