■結婚したい韓国人女性は激減

 韓国では家父長的な考えが根深く、働く女性は家事の大半を引き受けることが求められる。このため、結婚を嫌がる女性もいる。

 政府の調査によると、結婚したいと考える独身女性は、昨年は22.4%と、2010年の46.8%から大幅に減少している。

 韓国の出生率は世界最低水準で、人口の時限爆弾を抱えている。2030年までに人口のほぼ4分の1が65歳以上となる見込みだが、国の支援はほとんどなく、家族以外に誰が高齢者の世話をするのかということが問題となっている。

 香港やシンガポールなどと異なり韓国では、人種的に韓国人でない限り介護業界に外国人労働者を受けいれていない。だが、一部地域は韓国人女性との出会いに苦労している韓国人独身男性のためのいわゆる「結婚ツアー」に補助金を出している。

 何十年にもわたり、若者、とりわけ女性が都市部に出て行ってしまった地方では、事態は深刻だ。地方に残った人々は伝統的な男女の役割に固執することが多い。エマさんの義理の母親がそのいい例だ。息子がエマさんの家事を少しでも手伝おうとするものなら、激怒するという。

 エマさんは幸せかとの問いに、「夫と家族を持つことができた時はとてもうれしかった」と答えた。孝婦賞の賞金約2000ドル(約22万円)は、6年間会っていないフィリピンの家族を訪問するために使う予定だ。

 これまで、約26万人の外国人女性が韓国人男性と結婚するため韓国に移住しており、年間にすると約1万5000人に上る。最も多いのは中国、ベトナム、フィリピンからで、貧困を逃れるために移住することが多い。

 虐待される女性もいる。また専門家らは、外国人女性らは出身国の文化にかかわらず、家父長的な韓国の価値観に適用するよう追い込まれることが多いと指摘している。

 北海道大学公共政策大学院(Hokkaido University Public Policy School)の池ヒョン周直美(Hyunjoo Naomi Chi)氏は、孝婦賞は伝統的な男女の役割を再生産しているとし、あたかも家族の唯一の世話係であることが、全女性の義務であるかのようだと指摘する。こういった賞を外国人女性に与えるのはさらにばかげており、まるで韓国人の妻になるには、このような「理想の女性」になる必要があると言っているようなものだと語った。

 ソウルで働くボニー・イ(Bonnie Lee)さんは結婚する予定はない。イさんは、孝婦賞は時代遅れだという意見に同意する。「20代や30代の韓国人女性で孝婦と呼ばれたい人は事実上、誰もいない」「親孝行の義理の息子に対する同じような賞は存在しない。なぜならそんな孝行息子はいないからだ」 (c)AFP/Claire LEE