【11月27日 AFP】ピクサー(Pixar)の大ヒット映画『ファインディング・ニモ(Finding Nemo)』の主人公が再び姿を消そうとしている。それも今回は、永久にいなくなってしまう恐れがあるという。

 気候変動への適応において、その特異な繁殖習慣がクマノミにとっての絶滅リスクとなりうると研究者らが26日、指摘した。

 フランス国立科学研究センター(CNRS)などの研究チームは、パプアニューギニア東部沖に位置するキンベ島(Kimbe Island)周辺の海で、イソギンチャクと共生する鮮やかな体色のクマノミを10年以上にわたり観察した。その結果、クマノミには繁殖相手を柔軟に選択できないという習性があることが分かった。

 イソギンチャクとそこに共生するクマノミの生存は、最終的にサンゴに依存する。そのことを考えると、サンゴが海水温の上昇、汚染などの脅威、人間の侵入などによる危機にさらされているなか、イソギンチャクとクマノミは、速やかに環境の変化に適応する必要がある。

 だが、これには大きな困難が伴うことが考えられると研究チームは指摘する。

 CNRSの研究者のブノワ・プジョル(Benoit Poujol)氏は、AFPの取材に「適応(するクマノミの能力)を保証するのは、個体群の繁殖の成功だ」と語った。

 クマノミの繁殖サイクルは「極めて独特」で、安定した良好な環境に依存する。

 それぞれのイソギンチャクには、1匹のクマノミの雌と性的に活発な雄が1匹、その他に複数の性的に不活発な雄が共生している。

「雌が死ぬと、性的に活発な雄が雌になる性の転換が行われ、性的に不活発な雄の中で最も大きな個体が性的に活発になる」と、プジョル氏は説明し、「クマノミには、環境的制約が存在する場合に、自らの繁殖様式の変更を可能にするような遺伝的多様性がない」とも述べた。

 国連(UN)の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は2018年、地球温暖化による気温の上昇を1.5度未満に抑えても、サンゴ礁の70%以上が失われると警鐘を鳴らした。上昇値がこれを超えて2度未満となってしまった場合には、サンゴとサンゴが支える重要な生態系がほぼ壊滅すると考えられるという。(c)AFP