【11月27日 AFP】地中海の島国マルタで26日、著名ジャーナリストのダフネ・カルアナガリチア(Daphne Caruana Galizia)氏が2年前自動車爆弾で殺害された事件の捜査が加速する中、政府高官2人が辞任を表明した。さらに別の高官1人も自ら「停職」を申し出た。

 辞任を表明したのはジョゼフ・ムスカット(Joseph Muscat)首相の側近であるキース・シェンブリ(Keith Schembri)首席補佐官とコンラッド・ミッツィ(Konrad Mizzi)観光相。2人の辞任はカルアナガリチア氏が2017年に殺害されて以降、同国政界に最も大きな衝撃となった。

 情報筋がAFPに明かしたところによると、先週、所有するヨット上で拘束された主要容疑者のマルタ人実業家ヨルゲン・フェネック(Yorgen Fenech)氏がシェンブリ氏の名を挙げたため、警察はシェンブリ氏に事情聴取を求めていた。フェネック氏は、事件で自分の知っていることを明らかにするのと引き換えに免責特権を要請し、警察筋によると同氏は26日、保釈された。

 一方ミッツィ氏は記者団に対し、「ムスカット首相が任期を満了できるよう」、自分には退任する「義務」があると語った。

 さらに同日、経済・投資・中小企業省は声明で、クリス・カルドーナ(Chris Cardona)経済・投資・中小企業相が「現在進行中の捜査・手続きが終わるまで、自ら即時停職」すると発表。ムスカット政権にさらなる打撃となった。(c)AFP/Matthew Xuereb with Alexandria Sage in Rome