【11月27日 AFP】香港の林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官は26日、民主派が圧勝した区議会議員選挙の結果について、香港政府に対する市民の不満を反映したものと認めた。しかし数か月にわたり騒乱を巻き起こしている抗議デモの解決のための新たな譲歩を示さず、さらなる批判が巻き起こっている。

 中国では、香港・親中派のエスタブリッシュメント(既成勢力)にとって屈辱的な惨敗となった区議選について、国営メディアは、これを重視せず、疑問視する姿勢を示した。

 毎週定例の記者会見に臨んだ林鄭氏は、区議選結果は、混乱への「対処にかかった時間への不満を含め、(香港)政府の欠陥」をめぐる市民の懸念を露呈するものだと言明。しかし民主派の政治家の求める主な要求には言及せず、街頭での暴力行為を非難した。

 林鄭氏は混乱の根本的原因に関し超党派間の対話の促進に取り組むと繰り返した。この取り組みは民主派勢力が不十分と一蹴している。

 香港の民主派政党「民主党」の林卓廷(Lam Cheuk-Ting)議員は林鄭氏のこの発言について、香港で続いている危機に対する「反省、対応、解決がない」ことを示すものだと指摘。「投票によりエスタブリッシュメント支持勢力はついに目を覚まされた一方、林鄭氏は、昏睡(こんすい)状態と同じくらい深く眠り続けることを選んでいる」と批判した。(c)AFP/Yan ZHAO, Xinqi SU