【11月26日 AFP】米国務省は25日、ミャンマーが化学兵器に関する国際条約に違反し、1980年代に生産された化学兵器を現在も保有している可能性があると指摘した。

 米国務省のトーマス・ディナンノ(Thomas DiNanno)国務副次官補はオランダ・ハーグ(Hague)で開催された化学兵器禁止機関(OPCW)の年次総会に出席し、「かつてのミャンマーの化学兵器製造施設には今も化学兵器が貯蔵されている可能性があり、米国はこれを深刻に懸念している」と報告。

 ミャンマーは2015年、化学兵器の開発、生産、保有を禁止する化学兵器禁止条約(CWC)を正式に批准しているが、米政府は1980年代にミャンマーが「マスタードガスを含む化学兵器」の開発を計画していたとの情報を得ているという。

 ディナンノ氏は「得られた情報に基づくと、ミャンマーは過去の化学兵器計画を公表せず、化学兵器製造施設を解体していないため、CWCに違反していると米国は判断している」と説明した。

 ミャンマーはこれまでにも化学兵器の保有・使用の疑いが持たれている。2013年には警察が前年に同国北部の銅山で抗議デモ参加者に化学兵器を使用し、重度のやけどを負わせたと報告されているほか、2014年7月には軍が化学兵器を生産していると報じたミャンマー出身のジャーナリスト5人が禁錮10年と重労働の判決を言い渡されている。(c)AFP