【11月30日 CNS】中国の最高人民法院が19日に発表したインターネット犯罪のビッグデータ報告と電信ネット詐欺犯罪の典型例によると、2018年に微信(ウィーチャット、WeChat)がコミュニケーションツールの「QQ」を超え、ネット詐欺の中で最も頻繁に使われたことが分かった。ネット犯罪の半数以上でウィーチャットが利用され、詐欺が行われているという。

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 ネット犯罪は2016年から2018年にかけて、結審した事件4.8万件超が発生し、事件数とその全刑事事件に占める比率は年々上昇しており、2018年には前年比で50.91%と大幅な増加を見せた。大部分は東南部の沿海地方で発生しており、北京、上海、天津(Tianjin)、重慶(Chongqing)の裁判所で結審したネット犯罪事件は全体のわずか6.81%のみとなっている。福建(Fujian)、浙江(Zhejiang)、山西(Shanxi)など10の地方でインターネットを利用した犯罪の占める比率は全国平均を上回り、ネット犯罪事件1件当たりの被告の人数は平均2.73人となっている。

 ネット犯罪のうち、情報通信、コンピューターサービスとソフト産業に携わった被告が最も多く37.21%を占め、3分の1は詐欺となっている。

 最高人民法院情報センターの孫福輝(Sun Fuhui)副主任によると、ネット詐欺事件の増加が深刻化している。2017年にはネット詐欺事件の詐欺事件全体に占める比率はわずか7.67%だったが、2018年には17.61%まで急激に上昇。東南部の沿海地方がネット詐欺の最も深刻な地域で、裁判所で結審したネット詐欺事件は、東南部の沿海地方から、北部、中部、西部地方に行くに従い少なくなる。ネット詐欺事件の1件の被告人は平均3.02人で、ネット犯罪事件をやや上回る。

 ウィーチャットは2018年にQQを抜き、ネット詐欺の中で最も頻繁に利用された犯罪ツールとなり、半数を超えるネット詐欺事件で使われた。ネット詐欺の中で他人になりすました事件は全体の31.52%を占める。職業紹介と偽る詐欺も2018年には大幅に増加した。「なりすまし」ネット詐欺では、被告人の多くは女性あるいは被害者の親しい関係者になりすましていた。ネット詐欺事件の20%は、住民の個人情報を事前に取得してから犯行に及んでいた。(c)CNS/JCM/AFPBB News