【11月26日 AFP】ペルーの憲法裁判所は25日、公判開始を前に1年以上勾留されていた野党党首のケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)氏(44)の釈放を命じた。

 ケイコ氏は昨年10月、ブラジルの建設大手オデブレヒト(Odebrecht)から120万ドル(約1億3000万円)の違法な資金を受け取った疑いで身柄を拘束された後、裁判所の判断により公判開始まで勾留されることになっていた。

 7人の判事のうち4人が釈放に賛成した。エルネスト・ブルメ(Ernesto Blume)憲法裁長官は、釈放の決定は、ケイコ氏の汚職疑惑に何らかの予断を与えるものではないと強調した。

 ケイコ氏は法的手続きを終え次第、今週中にも釈放されるとみられる。

 汚職などの罪で有罪となったアルベルト・フジモリ(Alberto Fujimori)元大統領(在任1990~2000年)の長女であるケイコ氏は、2011年の大統領選に立候補した際にオデブレヒトから120万ドルの違法な資金を受け取った罪に問われていた。

 25日の憲法裁の決定によって、かつてペルーで最も人気のある政治家だったケイコ氏は理論上、2021年7月の大統領選に向けた活動を行う時間を得られることになる。

 右派野党のフエルサ・ポプラル(FP)を率いるケイコ氏は党内では重要な地位を維持しているが、汚職スキャンダルの発覚以降、人気が急落している。

 最高裁は先に、ケイコ氏側の不服申し立てを受けて勾留期間を半減して18か月とする決定を下しており、ケイコ氏は来年4月に釈放される予定だった。

 検察は2011年大統領選でケイコ氏陣営の資金を捻出するために犯罪組織を運営していた罪でフジモリ派の11人を起訴。オデブレヒトは2004年以降少なくとも2900万ドル(約32億円)を複数の政府当局者に贈賄していたと認めている。

 オデブレヒトの汚職疑惑に絡み、元大統領3人が捜査の対象となっているほか、アラン・ガルシア(Alan Garcia)元大統領が今年4月、資金洗浄の疑いで逮捕するため警察が自宅を訪れた際に自殺した。(c)AFP