【11月26日 AFP】国連(UN)の世界気象機関(WMO)は25日、気候変動の主な原因である温室効果ガスの大気中濃度が、昨年、観測史上最も高い数値を記録したと発表し、「将来の人類の幸福」を守るための行動を呼び掛けた。

 WMOのペッテリ・ターラス(Petteri Taalas)事務局長は、「地球温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定(Paris Agreement)の下でのあらゆる取り組みにもかかわらず、大気中の温室効果ガス濃度の上昇は減速する兆しがなく、まして低下など全く見られない」と述べた。

 WMOの温室効果ガス年報(Greenhouse Gas Bulletin)によると、2018年の二酸化炭素の大気中濃度は407.8ppmで、2017年の405.5ppmから上昇した。上昇幅は、過去10年の年間上昇幅の平均をわずかながらも上回った。二酸化炭素は地球温暖化の要因の約3分の2を占める。

 WMOによると、二酸化炭素に次ぐ主な温室効果ガスであるメタンと亜酸化窒素の大気中濃度も昨年、観測史上最高を記録した。

 報告書でWMOは「この継続している長期的な傾向は、将来の世代が気温の上昇や極端な気候、水不足、海面上昇、陸・海上の生態系の破壊といった、深刻な気候変動の影響を受けることになることを意味する」と述べた。(c)AFP/Ben Simon