【11月25日 CNS】中国の不動産大手「万達集団(Wanda Group)」の董事長、王健林(Wang Jianlin)氏の息子、王思聡(Wang Sicong)氏が、自身の名義の不動産などの資産をすべて差し押さえられたことが分かった。これに先立ち、王思聡氏は消費制限命令も受けている。

 新興メディア「紅星新聞」の報道によると、北京市第二中級人民法院は先ごろ開いた記者会見で、22日に王思聡氏へ執行通知書と財産の報告命令書を送達。王思聡氏の資産を調査していることを明らかにした上で、不動産のほか車両、銀行預金といった資産を差し押さえたとしている。

 企業の信用情報を扱う公共データベース「天眼査」によると、10月18日、王思聡氏が董事長を務め、100%の株式を保有する北京普思投資(Prometheus Capital、以下「普思資本」)の株式が上海市宝山区人民法院により凍結された。凍結金額は不明となっている。

 中国の裁判所が運営する「中国執行情報公開網」は今月6日、王思聡氏の名前を被執行者リストに載せた。執行法院は北京市第二中級人民法院。また、上海市嘉定区人民法院は9日、王思聡氏に対し消費制限命令を下した。

「普思資本」は王思聡氏の投資のスタートポイントといわれる。公開情報によると、父親の王健林氏は2009年、息子にポンと5億元(約77億円)を与え「練習をさせる」とし、「失敗したらもう一回5億元を与え、それでもうまくいかなければ万達で仕事をすればよい」と言ったとされる。その後、王思聡氏は「普思資本」を設立した。

「普思資本」の公式ウェブサイトによると、その投資規模はすでに30億元(約464億円)を超えている。投資案件は「360」「大衆点評」「人人車」など32社に上り、投資領域はゲーム、eスポーツ、飲食業など多岐にわたる。

「天眼査」には22日の時点で「普思投資」自身の経営リスクとして6件、留意すべき予報リスクが273件、周辺リスクはさらに多く876件が指摘されている。

 外界が不思議に感じることは、王思聡氏の債務問題について、父親の王健林氏の動きが全くない点だ。外部メディアによると、万達集団の責任者は、万達集団は王思聡氏のいかなる債務に対しても担保の提供はしておらず、その支配している企業と一切の資金の往来はないと表明している。

「天眼査」によると、王思聡氏は依然として20社の法定代表者、33社の株主、36社の高級管理者であり、111社で実質的支配権を握っている。(c)CNS/JCM/AFPBB News