【1月1日 AFP】仏高級レストラングループ「アンヌソフィー・ピック(Anne-Sophie Pic)」のヘッドソムリエ、パズ・レビンソン(Paz Levinson)氏は、グラスに入った飲み物をゆっくりと味わうと、キャビアとキュウリのゼリーが載ったスプーンを手に取った。その組み合わせをレビンソン氏は「魅惑的」と表現する。

 だが、レビンソン氏が飲んでいたのは、ボルドー(Bordeaux)やブルゴーニュ(Bourgogne)産のビンテージワインではない。日本酒だ。「日本酒はフランス料理ととてもよく合う」と、アルゼンチン出身のレビンソン氏は言う。

 フランスでの日本酒の市場規模は、世界全体の順位で見ると11位にすぎない。年間の総売上高も200万ユーロ(約2億4000万円)を下回っている。しかし、消費量は増加しており、輸入量は2012年から17年にかけて約160%増加している。

 自身の名を冠したレストラングループのオーナー兼ヘッドシェフ(料理長)のアンヌソフィー・ピック氏は、レストラン格付け本「ミシュランガイド(Michelin Guide)」の星をこれまでに八つ獲得した経歴を持ち、日本酒愛好家でもある。最初は日本酒をレシピに取り入れ、その後ワインリストにも加えた。他のホテルやレストランも、日本酒に注目している。