【11月25日 AFP】英ロンドンで服役中の内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創設者ジュリアン・アサンジ(Julian Assange)被告(48)について、健康状態の悪化により刑務所内で死亡する恐れがあるとして、60人以上の医師が公開書簡で英政府に警告した。25日、書簡が公開された。

 アサンジ被告については、米当局がスパイ防止法違反などの罪で起訴し、英側に身柄引き渡しを求めている。有罪と認められれば、最高で禁錮175年が言い渡される可能性がある。

 医師らはプリティ・パテル(Priti Patel)英内相に宛てた書簡で、アサンジ被告をロンドン南東部のベルマーシュ刑務所(Belmarsh Prison)から大学病院に移送するよう訴えた。

 16ページに及ぶ書簡で医師らは「アサンジ氏は肉体的、および精神的な健康状態について、専門医による緊急診察を必要としている」「現在入手できる兆候から、われわれは直ちにアサンジ氏の診察と治療が行われない場合、アサンジ氏は刑務所内で死亡する可能性があると非常に懸念している。医学的状況は緊急であり、無駄にする時間はない」と述べた。

 医師らは、10月21日にロンドンの裁判所に出廷した際の衰弱し困惑したアサンジ被告の「痛ましい証言の様子」と、拷問に関する国連(UN)特別報告者ニルス・メルツァー(Nils Melzer)氏が今月1日に報告した内容を基に、アサンジ被告の健康に関する評価を下した。

 アサンジ被告は2010年、「ウィキリークス」を通じて、アフガニスタンやイラクにおける米軍の空爆に関する軍事・外交機密を暴露し、米当局を動揺させた。(c)AFP