【11月25日 AFP】中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の少数民族ウイグル人に対する弾圧に関し、新たにリークされ24日に公開された内部文書で、大規模な収容施設内では被収容者の散髪の頻度から扉に鍵をかける時間まで、中国当局の厳格な管理下に置かれていることが明らかになった。

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 国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手し、世界で17社の報道機関が公開したこの文書により、中国当局が新疆ウイグル自治区にある各収容施設での生活を厳格に管理するために発していた指令内容が明らかになった。権利団体や専門家らによると、これらの施設にはウイグル人などイスラム教徒の少数民族を中心に100万人以上が拘束されている。

 今回のリークの1週間前にも、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が400ページを超える内部文書を入手。これには、2014年にウイグル人過激派が新疆ウイグル自治区の鉄道駅を襲撃した後、習近平(Xi Jinping)国家主席が当局者らに対し、同自治区内の分離独立主義や過激思想の取り締まりに「情け容赦は無用」と命じていたことが記されている。

■被収容者は「生徒」

 新たにリークした文書には、同自治区の治安トップが2017年に承認した収容施設の運営に関するガイドラインのリストや、拘束対象とする市民を選ぶために、警察がどのように個人情報を収集し人工知能(AI)を利用したかを示す情報機関の報告書などが含まれている。

 ICIJによるこの文書の英訳によると、中国当局が拘束下にある市民を収容施設から「卒業」しなければならない「生徒」と呼んでいること、職員向けのガイドラインには「散髪やひげそりを適時行うこと」など詳細にわたる日常生活の管理方法が提示されていること、さらに拘束下にある人々の携帯電話の所持を厳しく禁じていることなどが分かる。

 拘束下にある市民は「思想的転換、学習と訓練、自制心」などを加点制で評価される。また「寮室のドア、廊下のドア、各階のドアは全て2重に鍵をかけるよう」定められている。

 在英中国大使館は文書の内容を否定し、文書公開に携わった機関の一つである英紙ガーディアン(Guardian)に対し、報道は「全くの作り話で、偽ニュースだ」と反論した。(c)AFP