【11月25日 AFP】激しい抗議デモが続いている香港で24日投票が行われた区議会(地方議会)選挙は、民主派が圧勝する見通しとなった。現地メディアが25日、報じた。今回の区議会選は、香港政府の抗議デモ対応への事実上の住民投票だとみられている。

 香港全域の18区議会選の投票所には長蛇の列ができた。選挙管理委員会は有権者登録した413万人のうち約71%が投票したと発表。1997年に英国から返還されて以降、香港の区議会選史上で最高の投票率だ。

 区議会はバス路線やごみ収集など、コミュニティーレベルの事項を扱い、選出される議員は452人。これまでは盛り上がりを見せることがほとんどなかった区議会選だが、今回は新たな様相を示している。

 英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)が25日早朝までにまとめた241選挙区の集計によると、勢力別の獲得議席は民主派が201、親中国派が28、独立系が12となっている。

 これまで区議会は親中国派が優勢だった。変化を求める有権者らは、民主派が勢力を増せば、中国政府や、中国政府の支援を受けた林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官へのメッセージになるだろうと期待している。

 香港は数か月前から、大規模な抗議デモと、警察とデモ隊との暴力的衝突という大きな混乱に見舞われている。デモ隊は香港の直接選挙とともに、警察の残虐行為の徹底調査などを要求している。(c)AFP