【11月25日 AFP】ルーマニアで24日、大統領選の決選投票が行われ、出口調査によると現職のクラウス・ヨハニス(Klaus Iohannis)大統領(60)が再選を確実にした。東欧の欧州連合(EU)加盟国であるルーマニアの親EU路線を裏付ける結果となった。

 出口調査によれば、元物理学教授で中道右派のヨハニス氏が64.8%から66.5%の得票率を獲得し、左派の社会民主党(PSD)党首のビオリカ・ダンチラ(Viorica Dancila)前首相を破った。

 ダンチラ氏の得票率は33.5%から35.2%で、30年前の1989年の共産主義崩壊以来、同国の政治を支配していたPSDとしては過去最低となった。

 ヨハニス氏は喜びをかみしめながら「私はルーマニア全国民のための大統領になることを約束する。現代的、欧州的で正常なルーマニアが今日、勝利した」と語った。同国で少数派のドイツ人家庭に育ったヨハニス氏は選挙戦で、汚職なしで機能する体制確立に尽力すると訴えてきた。

 今回の大統領選は、PSDの政治家らに有利とみられ議論を呼んだ司法改革に対する国民の怒りを背景に行われた。この改革をめぐり街頭では大規模な抗議デモが起こり、EUは懸念を表明していた。

 PSD率いる政権は先月行われた不信任投票で崩壊。今回の決戦投票で、数か月続いた政局の混迷に終止符が打たれることになる。(c)AFP/Mihaela RODINA, Julia ZAPPEI