【11月25日 CNS】中国では誘拐された子どもが売買される事件が後を絶たない。最近も、9件の人身売買にかかわったとされる容疑者の写真がインターネットに出回り、大きな話題となった。子どもの人身売買の実態について探ってみた。

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■どんな子どもが誘拐されやすいか?

 誘拐された子どもを探すサイト「宝貝回家(Baby come home)」によると、最も誘拐・売買の対象となっているのは、1歳未満の子どもで、この時点では男女の比率はほぼ同じだ。1〜6歳も対象となる多発期で、この年齢層では男児の方が女児よりもリスクが高い。6歳から発生率がいったん低くなり、9歳以上になると今度は女児のリスクが高くなる。

 世界では人身売買のほとんどが労働や性の強要といった搾取が目的だが、中国では児童人身売買の主な目的は「家の後継ぎ」や「老後の世話役」のためで、物心がまだついていない6歳未満の男児が狙われやすいという。

■誰が子どもの人身売買をしているか?

 2013年から2015年6月30日までの児童人身売買犯罪に関する47件の審判書によれば、47.5パーセントは見知らぬ人に誘拐され、35.8パーセントは実の両親に売られていた。

 親による子どもの人身売買は近年増加しており、ほかの親族や友人による犯罪も多発している。

■子どもの人身売買が多い地域はどこか?

 武漢大学(Wuhan University)の王真(Wang Zhen)教授の研究チームがつくった「中国児童人身売買データ」によると、子どもが多く売られた都市は、上海、成都(Chengdu)、重慶(Chongqing)、福州(Fuzhou)、莆田(Putian)、南京(Nanjing)、西安(Xi’an)になっている。

 一方、子どもが多く買われた都市は、莆田、徐州(Xuzhou)、重慶、邯鄲(Handan)、成都、鄭州(Zhengzhou)だという。

 統計によると、1月の春節(旧正月)前に子どもの人身売買事件が多発している。金欲しさによる犯罪が増え、人が大量に移動する時期のため、駅やバスターミナル、ショッピングセンターなどで子どもを誘拐される危険性が高い。(c)CNS-新京報/JCM/AFPBB News