【11月24日 AFP】政府への抗議活動が続く香港で24日、区議会(地方議会)議員選挙の投票が午前7時半(日本時間同8時半)に始まった。有権者数は410万人。投票所や市街には、妨害行動を未然に防ぐべく警察官が配備された。民主派は今回の選挙結果が、中国政府の支援を受けた林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官と香港政府に対する明確な意思表示となることを期待している。

 区議会選では、18区議会の452議席が直接選挙で決まる。通常、区議会選の投票率は取るに足りない程度だが、今回は新たに40万人近くが有権者登録を行っており、民主派陣営に有利な兆しとの見方が広まっている。

■香港につかの間の平穏

 前代未聞の政情不安が半年近く続く香港だが、投票日前の数日間は大規模な集会や警察とデモ隊との激しい衝突は見られず、つかの間の平穏が訪れている。

 抗議活動を続けてきた民主派グループらは、市民らに投票に行くよう呼び掛けるとともに、区議会選を先送りする口実を香港政府に与えないため激しい抗議活動を一時停止するよう、民主派が活用しているネット掲示板「LiHKG」などで訴えた。

 香港の区議会選挙では、候補者の大半を香港政府に同調する親中派が占める上、議員の権限はごみ収集など日常生活関連の事柄に限定されており、盛り上がりを見せることはほとんどなかった。だが、今回の選挙は政府への抗議デモが勢いを増す中で行われることとなり、民主派候補らは選挙結果がデモ隊の要求への譲歩を拒んできた林鄭長官と香港政府に対する意志表示となることを期待している。

 有識者らは、民主派は議席増が見込めるものの452議席の過半数を得ることは難しいと予測している。(c)AFP