【11月24日 AFP】今月25日の国連(UN)「女性に対する暴力撤廃の国際デー(International Day for the Elimination of Violence against Women)」を2日後に控えた23日、フランスとイタリアで女性に対する暴力を止めるよう求めるデモ行進が行われた。女性を中心に多くの人が参加し、今年に入ってから現在または過去のパートナーから殺害された女性たちへの追悼も行われた。

 フランスの首都パリ中心部は、この運動のシンボルカラーである紫色で埋め尽くされた。殺害された親族や友人の写真を付けたプラカードを掲げる参加者もいた。

 仏全体では70近くの団体や政党、労組などが30か所でデモを開催。AFPなどの報道機関から委託されてコンサルタント会社「オキュランス(Occurrence)」が調べたところによると、パリだけで4万9000人が参加した。参加者の多くは女性だった。

 一方でフェミニスト運動集団「#NousToutes(私たちみんなで)」は、参加者数についてパリだけで10万人、仏全体では15万人に上ったとし、「性暴力に反対する仏史上最大のデモ行進」になったとしている。

 イタリアの首都ローマでも、女性を中心に多数がデモ行進に参加。主催した「Non Una de Meno!」によると、今年に入ってから94人の女性が現在か過去のパートナーに殺害されたという。

 フランスで夫やパートナー、元パートナーから殺害された女性は、AFPの調査によると、今年これまでに116人に上っている。公式統計によると昨年は121人だった。

 フランスでは現在、3日に1人のペースで女性が現在もしくは過去のパートナーから殺害されており、夫婦間暴力を受ける女性は毎年22万人に上っている。

 世界的にみてもこうした暴力は後を絶たず、弱まる兆しが見られない。国連によると、2017年には8万7000人の女性と少女が殺害された。うち半数以上が、配偶者やパートナー、もしくは自分自身の家族から殺されている。(c)AFP/Arnaud BOUVIER / Nioucha ZAKAVATI