【11月29日 AFP】2020年米大統領選挙に向けた民主党候補指名争いで、若きホープ、ピート・ブティジェッジ(Pete Buttigieg)氏(37)が頭角を現している。インディアナ州サウスベンド(South Bend)の市長である同氏は、同性愛者であることを公表している。だが、米国は同性愛者の大統領を受け入れる用意があるのだろうか。

 ブティジェッジ氏が今年1月、大統領選に出馬する意向を表明した時、サウスベンド以外で同氏の名前を知る人はほとんどいなかった。だが、アフガニスタン従軍経験を持つ退役軍人でもあるブティジェッジ氏は今や、民主党候補指名争いの先頭集団に属している。この集団にはジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領やエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)およびバーニー・サンダース(Bernie Sanders)両上院議員が含まれている。

 選挙遊説にいつも同行する夫の中学校教師、チャスティン(Chasten Buttigieg)さんは、米国初のファーストジェントルマンとなる可能性が出てきた。

 ブティジェッジ氏は、自身の性的指向について多くは語らない。だが、4年前に同性愛者であることを公表すると決意したことや、2017年にチャスティンさんと婚約したこと、また子どもを持つことについて、率直に語っている。

 2009年以降、6か国が同性愛者の指導者を選出している欧州と異なり、米国では性的少数者(LGBTQ)や女性の大統領候補にはいまだ壁が存在する。

 バラク・オバマ(Barack Obama)氏は2008年に米国初の黒人大統領に選ばれた。だが、オバマ氏以前に米大統領の職に就いた43人の白人男性の中で、同性愛者だと公表していた人物は一人もいない。

 同性愛者であることを公表した最初の大統領候補はフレッド・カーガー(Fred Karger)氏で、2012年に共和党候補指名を目指したが、実現しなかった。

 米国で同性愛者の候補を支援する「ビクトリー・ファンド(Victory Fund)」の代表アニース・パーカー(Annise Parker)氏によると、近年、とりわけ同性婚が合法化された2015年以降は、「LGBTQの候補者を取り巻く状況は劇的に変わった」という。