【11月23日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)は22日、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)が不適格であると、内部のコンプライアンス審査委員会(CRC)から勧告されたことを明らかにした。これを受けて、ロシアのスポーツ界は再び国際大会に出場できなくなる危機に直面している。

 CRCが進言したのは、来月9日に仏パリで開かれるWADAの理事会において、RUSADAを再び資格停止処分にすることとされている。WADAの理事がこの提言を受け入れれば、ロシアは来年の東京五輪に出場できなくなるなど、新たな処分が下される可能性がある。

 ロシアの資格回復に向けてWADAが2018年9月に出した重要な条件は、モスクワの反ドーピング検査所が保管しているデータをすべて開示することだった。しかし、今年1月にWADAに引き渡された検査データには「矛盾」があり、CRCはロシア側にその説明を求めていた。

 2014年のソチ冬季五輪において、ロシアは薬物で汚染された検体をすり替えるなど組織的なドーピング違反を行っていたことが発覚し、RUSADAは3年近くにわたり資格停止処分となっていた。

 仮に今回提出された検査データに改ざんがあったと判明した場合、WADAはロシアが「最も厳しい制裁」に直面することになると警告していた。(c)AFP