【11月23日 AFP】19-20フィギュアスケートグランプリ(GP)シリーズ第6戦、NHK杯(NHK Trophy 2019)は22日、札幌で開幕し、冬季五輪で二連覇中の羽生結弦(Yuzuru Hanyu)は109.34点で首位発進し、来月イタリア・トリノ(Turin)で上位6人のトップスケーターのみが出場するGPファイナルの切符獲得に近づいた。

 先月行われたシリーズ第2戦のスケート・カナダ(Skate Canada International 2019)で優勝している羽生は、23日のフリースケーティング(FS)に向けて、ただ一人100点台をたたき出してライバルを圧倒した。フランスのケビン・エイモズ(Kevin Aymoz)が91.47点で2位に続き、ロシアのセルゲイ・ボロノフ(Sergei Voronov)が88.63点で3位につけている。

 羽生は冒頭の4回転サルコーを見事に着氷すると、華麗なトリプルアクセルもしっかり決めて観客を沸かせた。さらには、4回転トーループと3回戦トーループの連続ジャンプもきれいに決めながら、優雅なスピンとステップを披露。パフォーマンスが終了すると、熱狂した地元ファンからは花束やぬいぐるみが投げ入れられた。

 しかしながら、24歳の羽生は「もっとできた」と不満げな様子をみせ、「正直ちょっと悔しい」「だけど、ショートプログラムはショートプログラム。フリーでは、やってきたことを出せるように頑張りたい」とコメントした。

 一方、女子のSPでは、ロシアの新星アリョーナ・コストルナヤ(Alena Kostornaia)がトリプルアクセルを完璧に成功させるなどして85.04点の世界最高得点を記録し、首位に立った。今季3試合目となる16歳は、今月行われたフランス杯(Internationaux de France 2019)において、シニアでは自身2個目のメダル獲得に成功している。

 大会連覇を目指している17歳の紀平梨花(Rika Kihira)は、冒頭でトリプルアクセルの着氷に成功したものの、3回転ループでは少しよろめいてしまい、79.89点で2位発進となった。この日の演技については「まあまあ」と振り返り、「フリーに向けて、もっと良い演技ができたらと思う」と話した。

 平昌冬季五輪と今年の世界選手権(ISU World Figure Skating Championships 2019)で優勝しているアリーナ・ザギトワ(Alina Zagitova、ロシア)は、ジャンプの失敗がひびいて66.84点の4位と出遅れた。先日のフランス杯では、2位に終わっている。(c)AFP