【11月22日 AFP】混乱が続く香港で、民主派のデモ隊が立てこもった香港理工大学(Hong Kong Polytechnic University)を警察が包囲してから22日で6日が過ぎた。キャンパス内では少人数の人影が時折動き、ごみが散乱した通路は無人、食料があさられた調理場でうごめくのはゴキブリだけで、「終末後」を思わせる様相を呈している。

 れんがの「要塞(ようさい)」に立てこもった民主派デモ隊は、教室や廊下が迷路のように入り組んだ同大構内のあちこちに隠れている。黒い服にマスク姿の学生数人が時々姿を見せ、メディアのインタビューに応じる。

 ある30代の男性は「警察はわれわれの人数を100人と言っている。正確な数は明かせないが、実はもっと大勢いる」と語った。

 同大は香港中心部にあるものの、広大なキャンパスを持ち、男性の話が誇張かどうかは不明だ。

 デモ隊との衝突とにらみ合いが数日間続いた後、警察は大学を包囲し、キャンパスを出ようとする者を全員逮捕する作戦に転じた。

 キャンパス内にいた民主派デモ隊数百人のほとんどは、既に大学の外へ出ている。大半が警察に逮捕された。その多くが18歳未満だ。

 中には下水道を通って脱出した人や、ロープを使い、外で待機していたオートバイで逃げた人もいた。

 依然キャンパス内にとどまっている学生らには憔悴(しょうすい)の色が見えるが、警察の「攻撃」への対決姿勢を捨てていない。ただその「攻撃」が実際にあるのかどうかは分からない。

「僕らが投降すると思っているのなら、警察は間違っている」と男性は言う。「ここには必要な飲料水や食料がそろっている、1か月は持つ」

 男性は、逮捕を免れるにはキャンパス内に立てこもることが最良の策だと考えている。「確率の問題だ。ここには部屋が数千室もある。何人の警官が送り込まれるだろう、100人か、200人か。だとしたら、警官が僕らを見つける確率は5%。もし僕らがキャンパス外に出たら、捕まる確率は50%だ」 (c)AFP/Jacques CLEMENT