【11月24日 AFP】19-20フィギュアスケートグランプリ(GP)シリーズ第6戦、NHK杯(NHK Trophy 2019)は23日、札幌で男子シングル・フリースケーティング(FS)などが行われ、羽生結弦(Yuzuru Hanyu)が4回目の優勝を果たし、12月に行われるGPファイナルの切符を手に入れた。

 ショートプログラム(SP)で2位以下に大差をつけてFSに臨んだ羽生は、冒頭の4回転ループ、続く4回転サルコーを成功させると、コンビネーションジャンプではミスが出たが冷静さを失わず、きれいなトリプルアクセル、さらには優雅なステップとスピンを披露した。

 そのまま見事な演技を終え、客席に向かって深々とお辞儀をすると、ファンはお返しに羽生のマスコットでもある「くまのプーさん(Winnie-the-Pooh)」のぬいぐるみを投げ込んだ。「不安があった」と話す羽生は「ここでもらったエネルギーをうまく使ってファイナルでも頑張りたい」と続けた。

 羽生は合計305.05点をマークしてGPシリーズ2連勝を達成。フランスのケビン・エイモズ(Kevin Aymoz)が250.02点で2位、カナダのローマン・サドフスキー(Roman Sadovsky)が247.50点で3位に入った。

 羽生はこれで、GPシリーズ6戦の上位選手がそろい、イタリア・トリノ(Turin)で行われるGPファイナル進出を決めた。GPファイナルは他に世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships)2連覇中のネイサン・チェン(Nathan Chen、米国)や、アレクサンドル・サマリン(Alexander Samarin、ロシア)らの出場が決まっている。

 女子シングルでは、16歳の新星アリョーナ・コストルナヤ(Alena Kostornaia、ロシア)がNHK杯初優勝を果たした。

 コストルナヤはジャンプのほとんどをきれいに成功させて合計240.00点を記録し、GPシリーズ連勝を飾った。コストルナヤの優勝で、今季のGPシリーズの女子シングルは全てロシア勢が優勝したことになった。

 前回女王の紀平梨花(Rika Kihira)は231.84点で2位に入り、日本のファンを沸かせた。平昌冬季五輪金メダリストで世界フィギュア女王のアリーナ・ザギトワ(Alina Zagitova、ロシア)がSP4位から巻き返し、217.99点で3位に入った。

 この結果、女子ではこの3人がGPファイナル進出を決めた。紀平は「ファイナルでは完璧な演技でそろえたい」とコメントした。

 アイスダンスでは、フランスのガブリエラ・パパダキス(Gabriella Papadakis)/ギヨーム・シゼロン(Guillaume Cizeron)組が歴代最高となる226.61点でNHK杯を初めて制した。ペアは世界王者、中国の隋文静(Wenjing Sui)/韓聰(Cong Han)組が226.96点で大差の優勝を果たした。(c)AFP