シリア避難民キャンプを政府軍が空爆 「子どもたちだ、テロリストじゃない」
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【11月23日 AFP】シリアの内戦を逃れ、避難民キャンプでようやく一息つけると思っていた人々の頭上に20日夜、政府軍のロケット弾が降ってきた。「夜の祈りを終えた時、大きな爆発音が聞こえた。走って兄弟のテントに戻ると、炎に包まれていた」と、避難民のアブ・マフムード(Abu Mahmoud)さんは語った。
現場は、トルコ国境に近いシリア北西部イドリブ(Idlib)県のカー(Qah)村にある避難民キャンプ。シリア国内各地から戦火を逃れてきた人々が、白い粗末なテントを並べて暮らしている。
21日朝、そのテントの列の一部が灰燼(かいじん)に帰し、金属製の骨組みだけが残る惨状があらわになった。マフムードさんの兄弟はやけどを負い、ロケット弾の金属片でけがをしたものの、命は助かった。ただ、その妻と娘は焼け跡から遺体で見つかった。
シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、この空爆で子ども8人と女性6人を含む民間人16人が犠牲になった。国連(UN)は、空爆で近くの産科病院にも被害が出たと発表。調査を要請する方針を明らかにしている。
イドリブ県は、8年間にわたるシリア内戦で、今もバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領の支配を逃れている残り少ない地域の一つ。県内には約300万人が暮らすが、その半数は内戦で家を失ってこの地に逃れてきた人々だ。アサド政権軍とロシア軍はイドリブ県への空爆を強化しており、今年5~8月だけで民間人1000人以上が死亡、40万人が家を追われた。
行き場を失った人々の多くは北へ逃げ、トルコ国境沿いに身を寄せた。空爆の危険が少ない場所だと考えられていたからだ。「ここはなかなか安全だと感じた。だが、今やここにも危険が迫っている」とマフムードさん。「私たちを放っておいてくれ。ここにいるのは子どもたちだ、テロリストじゃない」と訴えた。(c)AFP/Omar Haj Kadour