【11月22日 AFP】米配車サービスのウーバー(Uber)は都市交通問題の解決策になるどころか、かえって問題を深刻化させかねないとする調査結果が21日、発表された。特に、ディーゼル車による大気汚染が懸念されるという。

 持続可能な交通ソリューションの推進を掲げる欧州の非政府組織(NGO)グループ「Transport & Environment(輸送と環境)」(本部:ベルギー・ブリュッセル)は、ウーバーについて、かつて厳しい規制のあったタクシー業界に変革をもたらし、自家用車で客を運ぶライドシェア・サービスへの大量参入につながったと評価している。

 しかし、「ウーバーの運転手が目覚ましく増加したのと同じ数だけ、タクシー免許数が減少する結果にはなっていない。ウーバーの登場によって、英ロンドンと仏パリで車の利用が著しく減ったということもない」と調査報告書の概要は指摘。

 携帯電話のアプリで車を呼べ、ドアツードアでの移動が可能な「便利さ」への人気が高まる中で、ロンドンとパリ、ブリュッセルでウーバー事業から排出される二酸化炭素(CO2)量は、自動車25万台分に相当する年間52万5000トンに上っているとの見方を示した。

「これは、環境フットプリントの削減を目指す各都市の動きに逆行している」と報告書は主張。「ウーバーが現状の事業手法を続け、各都市で内燃機関車と化石燃料による走行距離をさらに増やすなら、欧州の都市が環境に優しく持続可能な街を目指す上で障害になる」と述べている。(c)AFP